2021.02.16

全日本フィギュアスケート選手権2020 Singular.liveを活用

放送技術・メディア事業

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2020年末に行われた全日本フィギュアで、フジテレビの新たな施策として「#スケーターとつながろ う」という取り組みがありました。
Twitterのハッシュタグで選手への応援メッセージを募集し、集まっ たツイートは現地の会場に設置されているモニターにCGで表示され、
選手にメッセージが届くという施 策です。
選手のインタビュー映像とともに応援メッセージのCGが合成され、大会中YouTubeにてライブ 配信されました。

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画像)YouTubeライブ配信映像

今回、現地会場のモニターに表示するCGをSingular.liveを使用して制作しました。
フジテレビで日頃活用されているTwitterデータの収集システム(こちらの設計運用も我々が実施しています)と
Singularを連動 させることで実現しました。
収集したツイートの中からCGとして表示させたいツイートを選択するアプリを作り、
そのアプリを使っ て選択したツイートがSingularのクラウドサービス上でCGとして描画されるという仕組みになります。
我々が担った部分は主に以下の通りです。
・グラフィックデザイン(CGデザイン)
・Singularシーン作成(アニメーションや、データを扱う基礎部分の作成など)
・ツイート選択アプリの作成、Singularシーンとの連動

CGデザイン

Singular.liveのサービスでデザインを行うことも可能ですが、
今回は制作より「吹き出しにしてもらいたい」「温かみのあるデザインにしてほしい」など細かな要望もあったため、
Pixelmator Proというデザイ ンソフトを使ってデザインしました。
配置を考えたり、吹き出しなどの各パーツのデザインを考えて数パターン作ってみたりなど、
試行錯誤 しながらブラッシュアップしていきました。

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画像)Pixelmator Proの作業画面

Singularシーン作成

ツイートが更新される時にどのようなアニメーションをさせるか、ツイート選択のアプリと連動するために
必要な基礎部分の作成などをGoogle Chromeを使ってSingularにアクセスして作成しました。

Singularを使用したことのメリット

クラウドサービスのため、CG送出を行うオペレーターは現地(長野)に行く必要がなく、
お台場のフジテ レビ社屋でオペレーション業務を遂行しました。
フジテレビ社屋でのオペレーションによって送出されたCGは、
現地会場にいる配信チームのPCで受信 されてカメラ映像と合成されました。

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画像)現地会場のモニタにも配信映像を表示

Singularを使ったことで現地会場に行く人員を減らし、昨今の働き方による問題や新型コロナウイルス
(COVID-19)感染拡大における問題に対しての一助となり今後の活躍の可能性を感じました。
また、放送用のCGシステムと比べるとシステム自体のコストは遥かに安価であるという点でも、
配信番 組でのCGの導入がしやすくなるのではと考えています。

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図)全日本フィギュア Singular.live送出システム構成概要