現場レポート

2025.12.04

彫刻の森美術館「幸せをよぶシンフォニー彫刻」ライトアップ

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彫刻の森美術館「幸せをよぶシンフォニー彫刻」ライトアップ

報告者:営業部 佐野健太郎

この度、当社は彫刻の森美術館に佇むガブリエル・ロワール氏のステンドグラス作品
「幸せをよぶシンフォニー彫刻」のライトアップ施工を担当させていただきました。

 ステンドグラスで囲われた高さ18mの塔で、中に入ると螺旋階段が屋上まで続き、日中は太陽光が入り、万華鏡のように映し出された世界観が繰り広げられています。

 この時期は日の入りも早く、幻想的な美しい世界感を夕方は感じにくくなってしまう環境を、一番の課題としてプランが始まりました。

 塔の中と外の両方から灯具を施す事で普段と変わらない世界感を保ちつつも普段とは異なる塔の外から見る世界観を新たに作り上げる事が最大のポイントでした。

 塔の存在感を際立たせる為には周囲の余計な光を抑え、塔だけが浮かび上がる様にすることで見る人を現実世界から切り離し、幻想的な世界へ没入させる力を表現しました。それは森の中にひっそりと、しかし力強く佇む「灯台」のような安心感を感じてもらえるようにと。

 また、ステンドグラス部分だけでなく、塔を支える白い縦のラインにも光を当て、建物の高さと垂直方向の伸びやかさを強調しました。

これにより、重厚感のあるステンドグラスに対し、直線美のスタイリッシュな印象が加わり、現代的なライトアップデザインとしての完成度の高さを感じさせる事ができました。

そして、塔の足元部分にもブルーの光を当てることにより、塔が大地から繋がっているような一体感も表現することができました。

 通常の5倍の厚み(2~3㎝)があるステンドグラスは配置・色彩が均一ではありません。

計算通りに再現されないという難問に対し、作品の世界観を損なうことなく、色鮮やかな物語性を強調する為、妥協のない精密な微調整を繰り返しました。

懸命な準備にも関わらず、電気ノイズのトラブルがなかなか解消できず、緊迫した空気に包まれた時もございましたが、懸案事項を一つ一つ払拭し、対策を施し問題解決に至ったのには揺るぎない結束力が発揮できた事によって完成に至ったのだと思います。

 我々が設計した光は色彩を際立たせ、作品に新たな命を吹き込みました。

 当社は、単に「照らす」だけでなく、「作品の持つ物語を光で語り継ぐ」という視点に立ち、これからも技術力と情熱をもって、皆様の空間づくりをサポートしてまいります。

 現地へお越しの際は、夜空に浮かび上がる「幸せをよぶシンフォニー彫刻」の光景を、ぜひご堪能ください。

 ライトアップ期間:2025/11/29(土)〜12/25(木)  
ライトアップは閉館時間の17:00までとなります。

併設して足湯もございますので、私としては夕暮れ時に足湯に浸かりながら眺めるのがおススメです。

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▼プロジェクトチーム紹介
・プロデュース:佐野 健太郎
・デザイナー:奥山 大介
・プログラマー:原 太郎
・施工チーフ:星野 仁志
・エンジニア:石田 唯

 ▼本プロジェクトを成功に導くにあたり、多大なるご支援とご協力を賜りました下記の皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
・公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団の皆様
・照明協力 富士ライト商事株式会社の皆様

 貴重な機会とご協力をいただき、誠にありがとうございました。