多ジャンルで活躍するカメラマンが集結。Vol.2百戦錬磨のカメラマンによるエピソードトーク!

Introduction
様々なジャンルの現場で活躍するfmtのカメラマンたち。普段は顔を合わせない他セクションのカメラマンたちが一堂に会し、Vol.2では現場でのピンチや苦労、そして忘れられない瞬間について語り合いました。

制作技術部 TD・統括
畠山さん
2009年入社
現在の担当番組:みんなのKEIBA、ぽかぽか、サン!シャインなどのSW、東京アイドルフェスティバル(TIF)、日本高校生ダンス部選手権

制作技術部 SW・カメラ
佐藤さん
2018年入社
現在の担当番組:スワローズベースボールライブ、SVリーグ、ジャンクスポーツ

撮影取材部 スポーツ撮影取材
猪瀬さん
2008年入社
現在の担当番組:すぽると!、イット、Live NEWSαなどのフジテレビのスポーツニュース、バイクカメラでマラソンや駅伝などの中継なども担当

撮影取材部 スポーツ撮影取材
室伏さん
2016年入社
現在の担当番組:S☆1、news23、Nスタなどの、TBSのスポーツニュース、バイクカメラでマラソンや駅伝などの中継なども担当

撮影取材部 報道技術
林口さん
2001年入社
現在の担当番組:Live News days、イット! 報道案件発生時は、めざましテレビやサン!シャインなども担当。またヘリカメラでの取材・中継も担当
Session - 01
入社してから1番の大ピンチは?

Session - 02
カメラマンの仕事の中で大変なことは?

佐藤さん
カメラマンっていう職種は関係ないのかもしれませんが、神宮球場での野球の試合って、平均試合時間が3時間40分くらいなんですね。ついこの間、5回くらいからトイレに行きたくなってしまい、「早く試合終わってくれ」とずっと祈ってました(笑)試合が終わった瞬間にダッシュでトイレに行きました(笑)

猪瀬さん
トイレに行けるカメラポジションもあれば、行けないポジションもあるもんね…(笑)

佐藤さん
そうなんです。…ということは置いておきまして、中継で大変なことは天候の影響をもろに受けることですかね。雨でもやる競技もありますし、暑いし寒いし、風が強いときには体力消耗しますし、雷で機材が壊れたこともありますしね…。

猪瀬さん
今までで一番過酷だった仕事は?

佐藤さん
過酷ですか…27時間テレビの100キロマラソンですかね。真夏に十何時間も外ロケはきつく、心地よいはずの朝日が痛く感じました。何よりずっと暑くて暑くて…なので、たまにスタジオでの仕事につくと、皆毎日涼しいところにいていいなとか思ってしまったり…(笑)

畠山さん
はははっ、スタジオはトイレも近いし、涼しいし快適だもんね(笑)

佐藤さん
そういった環境の面で見ると、外での仕事は結構過酷かもしれませんね。

畠山さん
スタジオで大変なことは…なんでしょう、番組によっては収録時間が長いこともありますけど…朝暗いうちにスタジオに入って、終わって外出たらもう夜になっていて、暗いということはよくあります。「太陽の光を浴びていないな、今日…」ってなることはよくあります(笑)

佐藤さん
時間の感覚がおかしくなっちゃいますね。

畠山さん
あとは、スイッチャーをやる上で大変なことは、すべてのカメラの映像を同時に見て判断しなければならないので、視野を広くしなければならない、と言うことですかね。たくさんあるモニターを同時に見なければならない、と言うのは大変ですね。

猪瀬さん
バイクカメラの大変なところは、さっき佐藤くんが言ったようなトイレの問題だったり、気候の影響をもろに受けてしまうことだったりです。「バイクカメラマンはオムツを履いて撮影に臨んでいる」と言う都市伝説みたいな話もありますが、私は履いたことありません!(笑)けど、リハの時にインカムで「トイレ行かせてください…」って言ったことはあります。その時はお許しが出て、コンビニに寄ってもらえたので事なきを得たのですが…(笑)

畠山さん
気候の問題で言うと、雪山中継とかで寒いところに行くと、手が動かなくなるので辛いですね。カメラを触るので、分厚い手袋をつけられるわけでもないので、思ったようにズームができない時もあります。

猪瀬さん
で、寒いとトイレも行きたくなるんですよ!(笑)

佐藤さん
だから暑い方がマシなのかもしれないですね(笑)

林口さん
報道の現場でも、皆さんも言っていたようにトイレは死活問題です。私たちは災害現場に行くこともあるので、そういったところでは現地のトイレを使うわけにはいきません。現場に行く前に済ませておくのはもちろん、携帯トイレを準備しておきます。現地の皆様にご迷惑がかからないように準備をしていきます。また、報道という仕事の性質上、急遽北海道から沖縄へ移動して、みたいなこともあるので、気候に順応できるような体調管理も大変です。どうしようもない時は、次の現場への移動の間に衣類などを購入することもあります。

室伏さん
スポーツENGの大変なところは時間が不規則なところですかね。忙しい時期はプロ野球のナイターの次の日に朝早い取材が入っていることもありますし、出張が続くこともあります。あとは、中継やスタジオ収録と違って、基本的にはニュース取材なので、あまり先のスケジュールが見えない、というのも大変な点ですかね。急に出張になったり、前日の夕方まで次の日のスケジュールが確定しないことはもう慣れてしまいましたが、大変なのかもしれません。

Session - 03
今までで撮った1番のベストショットは?

室伏さん
ヤクルト・青木宣親選手の引退試合の時に、一塁下のカメラをいつものENGカメラではなく一眼レフ系のカメラにして挑み、他にはない画を撮りに行こうとしたんです。他局にはない画を撮ることもできましたし、なかなかプロ野球では見ない映像も撮ることができたので、良い挑戦になったのではないかと思っています。

佐藤さん
2023年のヤクルト・村上選手の55号・56号ホームランの6カメのワークはスピード感といい、綺麗にハマったなっていう感じですかね。あとは、同じくヤクルト・青木選手の引退試合で、始球式の後に泣きながらスタメン選手とハイタッチをする際に、私はローニンカメラでその周りを回って、そのまま守備位置のセンターまで走った時の映像はいろんな人によかったって言われることが多いですね。

畠山さん
競馬中継でアーモンドアイという強い馬が最後のレースで勝った時の、ゴール後のズームインは完璧に決まったなって思いました。芝から馬にずばーんと決まった時は気持ちよかったですね。

猪瀬さん
ワールドカップでオーストラリア対フランスを撮りに行った時に、MIXゾーンにいたら、メッシが通っていき、思わず関係ないけどカメラを回してしまいました。ベストショットではないですが、私が今までで一番興奮した瞬間でしたね。

林口さん
福島原発の燃料デブリを初めて取り出すということで、福島にヘリ応援で行った際、燃料デブリがトラックに乗せられて出てくるのですが、現場に近づき過ぎると被ばくする可能性もある為、ヘリで近寄れるのは半径何キロ以内までなど決まりがありました。また、福島テレビさんとも上空で通信しながらではあるものの、どのタイミングで出てくるのかは不明だった為、ひたすら通るトラックを撮り続けていたんです。するとある時ぽっと本命のデブリを乗せたトラックがやってきて、しっかりと撮影でき、OAでも放送することができた時は、逃すことなく撮影できたなという思いと、福島テレビさんからの依頼の仕事ということもあって、しっかりと責任は果たせたかなと思いました。

Session - 04








室伏さん
出張でマダガスカルに行った帰りの飛行機での話なんですけど、マダガスカル→ケニア→ドバイ→日本の3回のトランジットがあったんです。最初のマダガスカル→ケニアの飛行機が遅延してしまったことにより、その次の飛行機に乗れないことが決まってしまったんです。やっとの思いでケニアに到着してからも次の飛行機に乗るまでが16時間も空くことになってしまい、現地で仕事をしてきた後の体には堪えましたね。また、そもそも自分たちが預けた機材は本当にちゃんと自分たちと同じ飛行機に乗せてくれているのか、不安と戦いながらの帰国の旅路となりました。成田空港に着いて確認したところ、機材は全てありましたし、何より自分たちも無事日本に帰って来ることができたので良かったのですが、これが入社以来1番のピンチですかね。
林口さん
ヘリカメラからの渋谷のハロウィン中継を担当していた時のお話です。現場の地上にはアナウンサーが顔出しで生中継対応していて、空撮とスイッチングして放送する流れとなっていました。ヘリカメラのレンズはヘリコプターの機体のすぐ下に実装されていて、通常は飛来物が当たったりして傷や汚れがつかないようにヘリの進行方向と逆の後方に向けている状態なんです。現場に近付き、さてそろそろ現場方向に向けようかとレンズを前に向けるためのスイッチを押したつもりが、カメラを操作するコントロールパネル自体のシステムを落とすボタンを間違えて押してしまったんです。幸い中継が始まる数分前になんとか再起動することができ、無事生中継には間に合って事なきを得たのですが、本当にヒヤッとしましたね。
佐藤さん
昨年(2024年)に神宮球場で開催された青木宣親選手の引退試合の最後に、グラウンド一周する青木選手にローニンで付いて行く役割になったんです。一番好きな選手だったので、特等席で最後の勇姿を見ることができるはずが、ローニンの持ち手の棒がズボンのボタンに当たって外れてしまい、何万人というお客さんの前で危うくズボンが脱げそうになってしまったんです。とにかく早くタリーが切れてくれ、と願いながら、正直画どころではなく…(笑)タリーが切れた瞬間にアシスタントさんにカメラを渡して、ボタンを止めたので脱げることはなかったのですが…。これは仕事場というよりかはむしろ人生での1番のピンチだったかもしれません。
猪瀬さん
バスケのアジアカップの取材で、1人でレバノン集合っていう時があったんです。1人で機材を持って、羽田からドーハ経由でレバノン入りをしました。その時期にちょうどシリアで日本人の拉致問題が話題になっていた時期だったこともあり、ヒヤヒヤしながらの一人旅になりました。全てが1人行動になるので、重い機材を持ちながらの乗り継ぎも大変で、トイレなどのどこに行くときも機材を載せたカートごと突っ込んでいっていました(笑)いろんな人にジロジロ見られていましたね。レバノンに辿り着いてからも、税関での対応など、全てを1人でこなしていましたが、やはり1人行動での海外出張は負担が大きいなと感じましたね。そのストレスからなのか、そこから数週間くらい腹痛との戦いの日々でした(笑)
畠山さん
カメラアシスタントからカメラマンへ上がる間くらいの時期のことで、アシスタントながらも「カメラをやってみようか」と言われ、めざましテレビのお天気中継を担当することになったんです。ちょうど担当することになった日が、強風・大雨の大荒れの天気になってしまい、生放送が始まってからお天気中継のセッティングをはじめ、カメラを三脚の上に乗せ、別の機材のセッティングをしようとカメラから目を離した隙に、風に煽られたカメラが倒れてしまっていたんです。ふと振り返ったら、倒れたカメラが目に入って、慌てて起こしたのですが、ヘッドもレンズも壊れて使えない状態になってしまっていました。サブにいるVEさんからも、なんとか生き残っていたインカムから「どうした?何があった?」って言われ、状況説明をしたものの、中継ができないかもしれないと頭が真っ白になってしまっていましたね。急遽、サブにいたVEさんが予備のカメラを持ってきてくれて、その場ですぐ調整ができたので、本番には間に合い、事なきを得たのですが、「カメラから離れるときは三脚から下ろす」という教訓にはなりました。